去年の冬、むぎがこたつから出てこなくなりました。
ご飯のときだけ顔を出して、食べ終わったらまた潜っていく。かわいいっちゃかわいいんですが、こたつをつけっぱなしにしておくのが電気代的にじわじわきつくなってきた。かといって消すと「寒いのに切るの?」みたいな顔でこっちを見てくる。
湯たんぽのことを思いついたのは、そのへんでぼんやり考えていたときです。
電気を使わない。昔ながらの保温グッズ。コードもない。自分が冬に使ったことはあったけど、猫に使えるのかどうかは全然知らなかった。調べてみたら「問題ない」という話も「低温やけどに注意」という話も出てきて、読めば読むほど判断がつかなくなってきた。
じゃあ自分で試すしかないな、と思って。330円分の材料を買って、冬のあいだ使い続けた話を書きます。
そもそも猫に湯たんぽって大丈夫なのか

使い方の問題だった
最初に結論を言うと、使うこと自体はダメじゃない。問題になるのは使い方です。
怖いのは低温やけど。
猫はじわじわした熱さに気づくのが遅いことがある、というのを読んで少し怖くなりました。人間でも湯たんぽで低温やけどをすることはあるけれど、猫の場合は「熱い」と感じて自分で動くまでに時間がかかることがあるらしい。表面は平気そうに見えても内側でダメージが進んでいる、というのが低温やけどの厄介なところで、猫は自分で「やけどした」と言えないわけだから余計に注意が必要になる。
もう一つはお湯の温度。人間が使うときの感覚で熱湯を入れると、カバーをしても表面がかなり熱くなります。猫用として使うなら温度を下げるのは必須。
この2点だけ頭に入れておけば、あとはそこまで難しくなかった。
100均で揃えた3つのもの

ダイソーとセリアをはしごした
「猫用湯たんぽ」という商品は当然ながら100均にはない。でも組み合わせ次第で代用できる、という話を友人から聞いていたので、とりあえず見に行くか、という感じで近所の2店舗をまわりました。
| 商品 | 購入場所 | 価格 |
|---|---|---|
| ミニ湯たんぽ(プラスチック製) | ダイソー | 110円 |
| タオル地カバー(湯たんぽ用) | ダイソー | 110円 |
| フリースのひざかけ | セリア | 110円 |
合計:330円
なぜこれにしたか
湯たんぽのサイズはダイソーに何種類かあって、大きいほど保温時間が長いのはわかっていた。でもむぎのカゴ型ベッドは直径35cmくらいで、大きいサイズを入れたらベッドがほぼ湯たんぽになってしまう。小さいほうが猫の体の下にそっと置ける、という理由でミニサイズにしました。
カバーは最初から「絶対二重にする」と決めていた。タオル地の湯たんぽカバーの上から、さらにひざかけで包む。直接触れさせないというより、熱が猫に届くまでに一段クッションを挟む、という感覚です。
プラスチック製を選んだのは、金属製より表面温度が上がりにくいという記事を読んだから。実際どれくらい違うのかは正直わからないけれど、どちらでも選べるなら、という感じで。
使い方、温度、置き方

お湯は50〜55度
人間が湯たんぽを使うときは80〜90度くらいが多いと思いますが、猫用としては全然違う。私が落ち着いたのは50〜55度です。温度計で測りながら入れています。
この温度でカバーを二重にした状態で手のひらに当てると、じんわり温かいけど「熱い」とは感じない。ずっと触り続けても不快じゃない、というのを目安にしています。
保温時間は2〜3時間くらい。それを過ぎると人肌程度まで冷めていきます。
クッションの下に入れる
むぎのカゴ型ベッドには底にクッションが入っています。湯たんぽはクッションの上に置くんじゃなくて、クッションの下に隠す感じで入れています。クッションを一枚挟むことで表面温度がさらにやわらかくなる。ベッドの底がほんのり温かい、くらいの感触になります。
むぎが入ってくる前に必ず手で触って確認するのがルーティンになりました。「触っていて気持ちいい」と感じる温度かどうか、それだけ確認しています。
使う時間帯
朝晩の冷え込みが強い時間帯だけ使っています。昼間は室温が上がるので使わない日も多い。ずっと温めておくのは、猫が熱くても動かないリスクを考えるとやりすぎだと思っていて、2〜3時間したら取り出すようにしています。
むぎはどうだったか

初日
湯たんぽを仕込んだベッドをリビングに置いたら、むぎはいつものようにしばらく遠くから眺めていた。でも近づいてくるのがいつもより早かった気がします。温かさが漂っていたのかもしれない。
5分くらいしたら自分からベッドに入って、くるっと丸まって目を閉じた。そのまま1時間半、動きませんでした。こたつの中にいるときと同じくらいリラックスしているように見えた。
最初の一週間は観察していた
低温やけどが頭にあったので、むぎがベッドに入っているあいだ、最初の数日は近くで作業しながら様子を見ていました。体を伸ばして熱いところから距離を取ろうとしていないか、同じ姿勢のままじっとしすぎていないか、そのへんを気にしていた。
今のところ一度もそういう様子は見ていない。むぎはベッドに入ったらそのままぐっすり寝ています。
ただ、これはむぎの話なので。猫によって熱さの感じ方も違うはずだから、使い始めは絶対に目を離さないほうがいいと思います。
やらかしたこと2つ

1回目|お湯を熱くしすぎた
最初の日、温度計を持っていたのに使い忘れて、なんとなくで70度くらいのお湯を入れてしまいました。カバーを二重にしても触るとそこそこ熱くて、むぎが入る前に気づいてよかった、と思いながら取り出しました。
それ以来、面倒でも必ず測るようにしています。温度計は100均に売っているので、湯たんぽと一緒に買っておくといいと思います。
2回目|カバーを一重にした
確か2日目か3日目に、タオル地カバーをつけ忘れてひざかけ一枚だけで包んだことがあった。温度は同じはずなのに、むぎが途中でベッドから出てきた。直接の原因かどうかはわからないけれど、それ以来必ず二重にしています。薄いと猫の感じる温度が違うのかもしれない、とぼんやり思っています。
冬を通して使ってみて
よかったこと
電気代に影響しなかった
真冬に毎朝晩使っていましたが、電気代が上がった感じはなかった。ペット用のヒーターマットを長時間使うよりは確実にコストが低いはず。
コードがない
電気系のペット用品はコードを猫がかじるリスクがある。むぎはかじる癖はないけれど、そもそもコードがないのはシンプルに安心感があります。
失敗しても330円
ペット用のヒーターマットは安くても2,000〜3,000円します。それで使ってくれなかったときのダメージと、330円で使ってくれなかったときのダメージは全然違う。気軽に試せるのは本当によかった。
正直なところ
2〜3時間で冷める
一日中温めておけないのは少し不便。朝、仕事に出かける前に仕込んでおいても、昼前には冷めています。むぎが家にいる時間帯に合わせてタイミングを考えないといけない。
毎回温度確認が必要
お湯を測って、触って確認して、という作業が毎回ある。慣れれば5分もかからないけど、「セットしたら終わり」という電気系の楽さはない。
低温やけどのリスクはゼロじゃない
どれだけ気をつけても、「絶対に大丈夫」とは言い切れない。温度を測って、カバーを二重にして、クッションの下に入れて、それでもリスクがゼロになるわけじゃない。むぎが今のところ大丈夫なのは、たまたまむぎの体質や性格と、私の使い方がうまく合っているだけかもしれない。
猫から目を離す時間が長い家庭や、猫がベッドから自分で出ない子の場合は、湯たんぽよりも温度管理が自動でできる電気系のペット用品のほうが安全だと思います。

結局、100均湯たんぽはアリかナシか
むぎには合っていました。それが正直なところです。
「電気代を抑えたい」「コードレスがいい」「まず安く試してみたい」という条件が重なるなら、試す価値はあると思う。330円で始められて、むぎが毎晩気持ちよさそうに寝ているのを見ると、買ってよかったと思っています。
ただ「これで絶対大丈夫」という話ではなくて、使い始めはちゃんと観察する、温度は毎回測る、カバーは二重にする、というのは省略しないほうがいい。手間を省いた瞬間に何かが起きてからでは遅い。
湯たんぽは道具で、道具は使い方次第だと思っています。
100円ショップの猫湯たんぽの代替品をAmazonと楽天で探す
100均の湯たんぽで十分という人も多いと思うけれど、より猫向けに設計されたものを探したい場合の選択肢をまとめておく。いずれもAmazonか楽天で購入できる。
| 商品名 | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| 蓄熱式湯たんぽ ぽかにゃん チャタロウ | お湯注入式 | 猫型デザイン、猫のベッドに馴染みやすい形状 |
| melket(メルケット) どうぶつ 湯たんぽ | お湯注入式 | 動物モチーフ、カバー一体型 |
| [山善] 蓄熱式 湯たんぽ 電気湯たんぽ | 電気式 | 電気で蓄熱、お湯不要 |
蓄熱式湯たんぽ ぽかにゃん チャタロウ
猫の形をした湯たんぽで、ペットのベッドや寝床に置いたときに見た目が馴染みやすい。お湯を入れて使うタイプなので、温度調整は自分でする必要がある。カバーが別途必要かどうかは商品ページで確認を。
melket(メルケット) どうぶつ 湯たんぽ
動物モチーフのデザインで、カバーが本体と一体になっているのが特徴。カバーを別に用意する手間が省けるので、100均湯たんぽより少しだけ準備がシンプルになる。お湯注入式で、使い方の基本は通常の湯たんぽと同じ。
[山善] 蓄熱式 湯たんぽ 電気湯たんぽ
お湯を沸かす必要がなく、電気で蓄熱するタイプ。温度設定が一定に保ちやすいので、毎回お湯の温度を測る手間をなくしたい場合に向いている。コードは充電時だけ接続する仕様のものが多く、使用中はコードレスになる。
まとめ|330円でできること、できないこと
最後に要点をざっくりまとめておきます。
やったこと
- ダイソーのミニ湯たんぽ+タオル地カバー+セリアのひざかけで330円
- お湯は50〜55度、カバー二重、クッションの下に入れる
- 使用時間は朝晩2〜3時間、必ず手で触って温度確認してから置く
むぎの反応
- 初日から自分で入ってそのまま1時間半寝ていた
- 冬のあいだ低温やけどの症状は一度も見られなかった
向いている家庭
- 電気代を抑えたい
- コードレスにしたい
- まず安く試してみたい
- 使っているあいだ近くで様子を見られる
向いていない場面
- 長時間目を離す状況
- 猫がベッドから自分で出ない子
- 温度管理の手間をかけたくない場合
湯たんぽひとつで冬が変わる、というほど大げさな話ではないけれど、むぎがこたつ以外の場所でも丸まって寝られるようになったのはよかった。来年の冬も同じやり方でやるつもりです。
