去年の冬、むぎのためにまた猫ベッドを買ったんです。今度こそ使ってくれるだろうと思って。
結果はお察しの通りです。開封してリビングに置いた瞬間、むぎはちらっと見て、くるっと背中を向けて去っていきました。
それが3回目の「猫ベッド買ったのに無視された」体験で、さすがに心が折れました。総額で8,000円以上使って、全部却下。なんなんだこの猫は、と思いながら、その夜なんとなくSNSを眺めていたら、「100均のカゴに綿を詰めただけのベッドに猫がドハマりした」という投稿が流れてきました。
コメント欄に「うちも!」「安いほうが使ってくれるよね」という声がずらっと並んでいて、なんだか妙に納得してしまった。高いから良いわけじゃないんだな、と。
翌日、とりあえず試しに作ってみることにしました。
むぎについて少しだけ

名前はむぎ、3歳のキジトラの女の子です。体重は4kgちょっとで、キジトラにしては少し大柄。性格は慎重派で、新しいものを家に置くと必ず2〜3日は遠巻きに観察してから近づきます。
好きな場所は窓際のソファと、なぜかお風呂場の前の廊下。嫌いなのは知らない人と、突然の物音。
これまで試した市販の猫ベッドは3種類で、全部一度も定位置になりませんでした。一番高かった低反発マットは、今は私のヨガマット置き場になっています。
材料を買いに行った日のこと

平日の午前中、近所のダイソーとセリアをはしごしました。
ダイソーに入ってまず迷ったのが、ランドリーバスケットの素材です。プラスチック製と布製が並んでいて、最初プラスチックのグレーのやつがかっこよくて手に取ったんですが、触ってみると縁が少し硬くて尖っている部分があった。むぎは顎を縁にひっかけて寝るのが好きなので、これは向かないなと思って布製に変えました。
コットン系の生成り色のバスケット、330円。
次にセリアでクッションカバーを探しました。45×45cmのシンプルな白いやつ、110円。手芸わたはダイソーに戻って110円のものを購入。
レジで会計したとき、合計550円でした。「これでむぎが使わなかったらもう諦めよう」と思いながら帰りました。
作り方、全部で30分くらいでした

カゴ型猫ベッド
クッションを作る
クッションカバーを開けて、手芸わたをざくざく詰めていきます。最初、欲張ってパンパンに詰めたんですよ。「ふかふかのほうが気持ちいいだろう」という人間の勝手な思い込みで。
でも詰め終わって押してみたら、全然沈まない。石みたいな硬さ。これは失敗した、と思って半分くらい引っ張り出して、もう一度押してみたら今度はちょうどよい感じに沈んだ。
口の部分は縫うのが面倒だったので安全ピンで止めました。どうせ定期的に洗いたいので、縫い閉じないほうが楽だと気づいたのもあります。
バスケットに入れる
作ったクッションをバスケットの底に敷くだけです。クッションがバスケットより少し大きかったので、端を折り返して入れたら、側面にも自然にクッション性が出ていい感じになりました。むぎのサイズを考えて、バスケットは直径35cmくらいのものにしていたので、ちょうどよかったです。
置き場所を決める
これが一番悩んだ。
最初は廊下の隅に置きました。「邪魔にならない場所に」という、完全に人間側の都合です。むぎは一週間まったく近づきませんでした。通るたびにちらっと見て、スルーして去る。
試しにリビングの窓際、むぎがよくごろごろしているソファの横に移動させてみたら、翌日の朝にはもう入っていました。
Tシャツリメイク版
こっちは本当に適当に作りました。
古いLサイズの綿Tシャツ(何年も着てクタクタになったやつ)を引っ張り出してきて、首と袖の穴を手縫いで閉じます。縫い目はかなり雑です。まっすぐじゃないし、糸の長さもバラバラ。でも猫が使うものなので気にしませんでした。
裾の穴からわたを詰めて、最後に裾を縫い閉じたら完成。
作業時間は20分くらい。ミシンなしでできます。
ただ、最初に使ったTシャツがポリエステル混の素材で、それをむぎが嫌がりました。近づいてくんくん嗅いで、そのまま去る、を3日繰り返した。素材を綿100%のものに替えたら普通に乗ってくれました。静電気が嫌だったのか、においの問題なのか、本人に聞けないのでわかりませんが。
むぎの反応

1日目
カゴ型ベッドをリビングに置いてから、むぎはしばらく2メートルほど離れた場所から観察していました。いつものパターンです。近づいてはくんくん、また離れて、また近づいて。
ただ、いつもより「様子見タイム」が短かった。市販のベッドを試したときは3日以上近づかなかったのに、この日は3時間後くらいには自分からカゴの縁に前足をかけていました。
その後ゆっくりと中に入って、くるっと丸まって、目を閉じました。
思わず「入った!」と声が出ました。部屋に一人でいたので誰にも聞かれてないけど。
2日目以降
翌朝起きてリビングに行ったら、むぎがカゴの中で寝ていました。これが初めて「猫がベッドで寝ている」を目撃した瞬間です。スマホを取りに行くのも惜しくて、しばらくそのまま眺めていました。
それから毎日、午前中の日が当たる時間はカゴが定位置になっています。午後は日陰になるので、そのタイミングでTシャツクッションに移動していることが多いです。気分と光の角度で使い分けているみたいです。
やってみてわかったこと

猫は「素材」で判断している気がする
むぎが市販のベッドを無視し続けていた理由、今なら少しわかる気がします。ポリエステルやフリース素材のふかふかしたやつって、猫にとっては触り心地がよくても、においや静電気が気になるのかもしれない。
コットンのバスケットと綿のわたは、においがほとんどしない。それが良かったのかなと勝手に思っています。
置く場所は猫が決めている
廊下の隅に置いていたときの「一切近づかない期間」があったので、場所の重要性を実感しました。正しくは「猫がすでに好んでいる場所の近くに置く」ということだと思います。むぎにとってはリビングの窓際がそこだった。
失敗してもダメージが少ない
550円で作ったものが使われなかったとしても、3,000円の市販品が無視されるのとは気持ちの違いが全然あります。「まあ材料費だし」と思えるのが、手作りの精神的なメリットだと感じました。
洗えるのが地味に助かる
猫のベッドって、気づいたら毛がびっしりついています。布製のバスケットもクッションカバーも普通に洗濯機で洗えるので、衛生的に管理しやすいです。わたは安全ピン止めにしているので、カバーだけ取り出して洗えます。
猫が使ってくれないときに試したこと

せっかく作っても使ってくれないときのために、私が実際に試したことを書いておきます。
置く場所を変える
これが一番効果的でした。猫の行動パターンを観察して、よくいる場所の近くに移動させてみてください。
自分のにおいをつける
使い古したTシャツや着ていたパーカーをベッドの上に置いておくと、においが馴染んで近づきやすくなる場合があります。むぎにも効果がありました。
無理に連れて行かない
猫を抱っこしてベッドの中に入れると、逆に嫌いになることがあります。自分から来るまで待つほうがいい。
高い場所に置いてみる
台の上や棚の上に置くと、高所好きの猫には効果があることがあります。むぎには効果なかったですが、猫によるかもしれません。うちのむぎは高い場所より、低くてこじんまりした場所が好きみたいで、床に直置きのカゴのほうが気に入っているようです。
猫草や好きなおやつで誘導する ベッドの近くに猫草を置いたり、おやつを少しベッドの縁に置いてみたりすると、においにつられて近づくことがあります。最初のきっかけ作りとしては使えます。ただし、おやつをベッドの中に入れるのはやめたほうがいい。食べ終わったら去っていくだけなので。
100均猫ベッドDIY、向いている人・向いていない人
正直に言うと、これが全員にうまくいくとは思っていません。
向いていると思う人
市販品を試したけど使ってくれなかった、という経験がある人。コストをかけずにまず試してみたい人。猫の好みや行動をよく観察している人。洗濯のしやすさを重視する人。
こういった方には、一度試してみる価値はあると思います。550円なので、失敗しても「勉強代」と思えるくらいの金額です。
向いていないかもしれない人
見た目のおしゃれさにこだわりたい人には、正直100均素材だとインテリアに馴染みにくい場合があります。生成りのバスケットはシンプルで悪くはないですが、部屋の雰囲気によっては浮くこともあるかもしれない。そういう場合は、素材だけ100均で揃えてカバーをお気に入りの布で作るという方法もあります。
費用まとめ
最後に費用をまとめておきます。
| 種類 | 合計費用 |
|---|---|
| カゴ型猫ベッド | 550円 |
| Tシャツリメイク版 | 110円(わたのみ) |
| 2つ合わせて | 660円 |
市販品にかけた8,000円以上と比べると、笑えてきます。
100円ショップの猫ベッドの代替品をAmazonと楽天で探す
100均グッズで作る手作りベッドも十分使えるけれど、「もう少ししっかりしたものも試してみたい」という場合、オンラインで手軽に購入できる選択肢もある。以下の3製品は、Amazonと楽天でそれぞれ取り扱いがあるものをまとめた。
比較表
| 製品名 | 特徴 | Amazon | 楽天 |
|---|---|---|---|
| BestOnePlus【帝人TEIJIN中わた+0秒瞬間消臭シート】ペットベッド 猫犬用ベッド 夏用 涼しい | 帝人素材+消臭機能、夏向け | Amazonで見る | 楽天で見る |
| RAKU HOME【実用新案】犬 猫 ベッド | 実用新案取得、犬猫兼用 | Amazonで見る | 楽天で見る |
| Hansleep 猫 ベッド 犬 ベッド ペットベッド | 猫犬どちらにも対応した汎用タイプ | Amazonで見る | 楽天で見る |
BestOnePlus【帝人TEIJIN中わた+0秒瞬間消臭シート】ペットベッド 猫犬用ベッド 夏用 涼しい
帝人の中わたと消臭シートを組み合わせた夏向けのペットベッド。蒸れやすい季節に猫が長時間過ごす場所に敷いて使うタイプで、においが気になりやすい室内環境にも向いている。
RAKU HOME【実用新案】犬 猫 ベッド
実用新案を取得している構造が特徴で、犬と猫どちらにも対応している。多頭飼いの家庭や、犬と猫を両方飼っているケースで1つのベッドを共用させたいときに選ばれやすい製品。
Hansleep 猫 ベッド 犬 ベッド ペットベッド
猫にも犬にも使える汎用タイプのペットベッド。特定の季節や用途に特化したものではなく、通年使いを想定した設計になっている。はじめてペットベッドをオンラインで購入する際の選択肢として検索されることが多い製品。
おわりに|手作りで変わったこと
むぎが毎朝カゴの中で丸まって寝ているのを見るようになってから、なんとなく気持ちが変わりました。
「使ってくれた」という事実もそうなんですが、自分で作ったものを猫が気に入ってくれているという、ちょっとした満足感があります。550円で作ったものなのに、なんか誇らしい。
猫ベッドって、高ければいいわけじゃないんだな、というのが今回一番実感したことです。むぎにとっては素材の感触やにおい、置いてある場所のほうが、値段やデザインよりずっと大事だったみたい。
もし「市販のベッドを何度試しても使ってくれない」と悩んでいる猫飼いの方がいたら、一度100均で材料を揃えて作ってみてください。うまくいくかどうかはその猫次第ですが、失敗しても660円の話なので、気楽に試せるのが一番のメリットだと思います。
むぎは今日も窓際のカゴで寝ています。外を見ながら、顎を縁にひっかけて。
