去年の11月の話です。
長野の山奥で車中泊をしていた夜中の2時過ぎ、急にお腹が痛くなって目が覚めました。外はどしゃ降り。気温は多分3度か4度くらい。トイレ棟までは駐車場を横切って50メートルくらいある。
ドアを開けた瞬間、冷たい雨が顔に直撃しました。
「あ、これは絶対なんとかしなきゃダメだ」と思ったのはその時です。それまでは「道の駅に止めれば大丈夫でしょ」という雑な考えで乗り切ってきたんですが、この夜にさすがに限界を感じました。
翌日から色々と調べ始めて、市販品も試して、最終的に自作のバケツトイレに落ち着いたのが今から8ヶ月くらい前の話です。
「道の駅に止めれば解決」が通用しない場面
これ、車中泊を始めたばかりの頃は本当にそう思っていました。でも実際にやってみると、そう単純じゃないことが分かってきます。
夜間にトイレ棟が閉まる道の駅は思っているより多いです。特に冬場の山間部はかなりの確率で閉まっています。それから体調が悪い日。トイレまで10秒でもきついくらい急いでいる時に、雨の中を50メートル走るのはかなりしんどい。
防犯の問題もあります。これは特に女性の方には分かってもらえると思うんですが、夜中に暗い駐車場を一人で歩くのって怖い場面があります。明かりが少ない場所はなおさらです。
市販のポータブルトイレも一応調べました。悪くないんですが、ちゃんとしたものは1万円以上するし、サイズが思ったよりデカい。普通車で車中泊している自分にとっては「これを常に積んでおくのか…」という感じで、なんとなく踏み切れなかったんです。
それで「じゃあ自分で作れないか」となりました。
使っている材料、全部で3,000円以内

材料はシンプルです。近所のホームセンターと100均で全部揃います。
バケツ(10〜15Lサイズ)
ここだけはちゃんとしたものを買ってください。100均の薄いバケツに座ると普通に割れます。私は実際にやりました。恥ずかしいし痛いし最悪でした。
ホームセンターで「踏み台にもなる」と書いてある頑丈なタイプが耐荷重的に安心です。500円から1,000円くらいで買えます。
BOS(防臭袋)

正直これが全てです。これをケチると後悔します。
最初は「普通のゴミ袋でいいか」と思って試したんですが、翌朝の車内がえらいことになりました。BOSはドラッグストアやAmazonで買える特殊な袋で、においを通さない構造になっています。値段は少し高いですが、車内で使う以上ここだけは妥協しない方がいいです。
猫砂(木製タイプ)または凝固剤

非常用トイレキットの凝固剤でも機能しますが、木製の猫砂は消臭効果もあるのでダブルで安心できます。私は今、凝固剤と木製猫砂を半々で混ぜて使っています。
U字型の断熱パイプカバー(クッション用)

バケツの縁に取り付けます。これをやるかどうかで座り心地がガラッと変わります。素のバケツの縁に座ると10秒で痛くなります。断熱パイプカバーはホームセンターの配管コーナーに売っています。1本100円くらい。
作り方、正直30分もかからない
難しいことは何もないです。
バケツの縁にU字のパイプカバーをぐるっと一周はめて、ずれないようにテープで固定する。これで本体は完成です。
使う時は、バケツにBOSの袋をセットして、底に猫砂か凝固剤をひとつかみ入れておく。用を足したら袋の口をしっかり縛って、蓋を閉める。
本当にこれだけです。
蓋はバケツ付属のもので基本は大丈夫ですが、においが心配なら密封性の高いゴムパッキン付きの蓋に替えると更に安心です。
実際に使ってみてどうだったか
最初の数回は正直、疑っていました。「本当に臭わないのか?」という不安がずっとあって、使うたびにちょっとドキドキしていました。
翌朝、起きてすぐに車内の空気を確認するのが習慣になっていたんですが、BOSをちゃんと使っていると本当に何も臭わない。これは使ってみないと信じられないと思います。言葉で説明してもたぶん半信半疑だと思うので、一回だけ試してみてほしいです。
今は確認することすらしなくなりました。それくらい信頼しています。
座り心地は、家のトイレには当然敵いません。でも「緊急時に使えるか」という基準で見れば全然問題ないです。長時間は無理ですが、必要なことをするには十分です。
あと、これは予想外の話なんですが、バケツとしての収納が地味に便利です。トイレを使わない日は中に工具や着替えを入れています。車内の限られたスペースで1個のものが複数の役割を持つのはありがたい。

臭わせないために意識していること
いくつかコツがあります。
凝固剤は使用前に袋に入れておく
後から入れるんじゃなくて、袋をセットした時点で先に入れておく。こうすると液体が広がる前に吸収されるので、臭いが出る前に処理できます。
使った直後に縛る
「後でまとめて処理しよう」は禁止です。その場で縛る。時間が経てば経つほど臭いは出ます。
猫砂はケチらない
特に大の場合、猫砂の量が少ないと翌日に後悔します。多いかなと思うくらい入れておいた方がいいです。
車内の換気を意識する
当たり前といえば当たり前なんですが、朝起きたら少し窓を開けて換気する習慣をつけると、全体的に車内が清潔に保てます。
処理の仕方とマナーについて
これは正直めんどくさいと思っていた部分でしたが、慣れると大したことないです。
固まった廃棄物を公衆トイレに流すのは絶対にやめてください。詰まりますし、後から使う人に迷惑がかかります。
基本的には燃えるゴミとして処理できます。自治体によって細かいルールが違うので、旅先では確認した方が安全です。私は基本的に自宅まで持ち帰って家庭ゴミとして出しています。旅の最中はバケツの蓋を閉めて車の隅に置いておけば、BOSのおかげで臭いは出ないので特に問題ないです。
市販品と比べてどうなのか
市販のポータブルトイレの方が使い心地は上です。これは正直に認めます。特にラップポンみたいな自動密閉タイプは本当によくできています。
でも、「とりあえず試してみたい」「荷物を増やしたくない」「失敗してもダメージが少ない選択肢がいい」という人には自作バケツトイレはかなり合っています。全部込みで3,000円以下で作れて、最悪使わなくなっても収納として使えますから、リスクがほぼゼロです。
私みたいに市販品に踏み切れなかった人間が、とりあえず自作で始めてみたというのが正直な流れです。
100円ショップの車中泊グッズに共通する代替品をAmazonと楽天で探す
100均で揃えられないものや、もう少しちゃんとしたものが欲しいと感じた時のために、Amazonと楽天で入手できる関連グッズをまとめておく。
比較表
| 商品名 | 主な用途 | Amazon | 楽天 |
|---|---|---|---|
| エアーマット キャンプ 足踏み式 【2026新開発&25秒膨らむ】 | 就寝・床の凹凸対策 | 見る | 見る |
| ジムニー 車中泊 マット 対応 JB64型 JB74型 AT車 | 車種専用フラット化 | 見る | 見る |
| はじめての車中泊 グッズ&ノウハウ 2026(ヤエスメディアムック956) | 装備選びの参考書 | 見る | 見る |
エアーマット キャンプ 足踏み式 【2026新開発&25秒膨らむ】
車のシートをフラットにしても、どうしても段差や硬さが残ることがある。このマットはその上に敷いて使うタイプで、足踏みポンプ式なので電源がない場所でも手軽に膨らませられる。車中泊だけでなく、テント泊や緊急時の簡易ベッドとしても出番がある。
ジムニー 車中泊 マット 対応 JB64型 JB74型 AT車
ジムニーはラゲッジスペースが独特な形をしていて、汎用マットだと隙間や段差が残りやすい。このマットはJB64・JB74のAT車に合わせて設計されているので、後部をフラットに整えたい場合の選択肢になる。車種が決まっているなら専用品の方が収まりがいい。
はじめての車中泊 グッズ&ノウハウ 2026(ヤエスメディアムック956)
装備を一から揃える段階では、何が本当に必要で何が不要かの判断が難しい。このムックは車中泊の基本的な道具選びから実際の使い方まで、2026年版の情報でまとめられている。ネットで断片的に調べるより、一冊手元に置いておく方が整理しやすい場面もある。
最後に
車中泊を続けているうちに気づいたんですが、旅の快適さって、大きな快適さよりも「小さな不安がないこと」の積み重ねだと思っています。
トイレの不安って、常に頭の片隅に残るんです。「もし夜中に急になったら」という感覚。それが車内に自作トイレがあるだけで消える。たった3,000円で消える。
大げさに聞こえるかもしれないですが、それくらい旅中の精神的な余裕が変わりました。
車中泊を始めたばかりの方も、ずっとトイレ問題を先送りにしてきた方も、一度試してみてほしいです。思っているよりずっと簡単です。
