落し蓋、ずっと持ってなかった。
正確には、昔持ってた。木製のやつ。でも気づいたら黒ずんでいて、裏にうっすらカビが生えていて、見た瞬間に迷わず捨てた。それ以来ずっとアルミホイルで代用してきた。くしゃくしゃっと丸めて、鍋の形に合わせて押し込むやつ。
まあこれでいいか、とずっと思っていた。
でもある日、煮物を作ろうとしてアルミホイルを引っ張り出しながら、なんか面倒くさいな、と急に思った。手間は30秒もかからない。でも「また毎回これか」ってなんとなく思って、そのままセリアに向かった。
売り場でちょっと迷った

調理器具のコーナーに行けばすぐ見つかるだろうと思っていたら、意外と一瞬迷った。
セリアって商品量が多い。似たようなシルバーのキッチングッズがずらっと並んでいる中から目的のものを探すのは、慣れていないと意外と時間がかかる。コーナーをぐるっと一周してようやく見つけた。
シリコン製の、丸いやつだった。
色はグレー。パッケージに「20〜22cm対応」と書いてある。手に取ってみると、思っていたよりずっと薄い。ぺらっとしている。「これ、本当に機能するのか」と思ったけど、110円だし。合わなければまたアルミホイルに戻ればいいだけだ。そう思って買った。
最初に使ったのは大根の煮物

その日の夜、大根を煮た。
だしと醤油と味醂だけのシンプルなやつ。下茹でした大根を鍋に入れて、調味料を合わせて、セリアの落し蓋を乗せてみた。
軽い。
木製の落し蓋って、それ自体に重さがあって、具材の上にどっしり沈む。でもシリコンは軽いから、煮汁の対流でゆらゆら動く。完全に固定されているわけじゃない。これで大丈夫なのかと思いながら鍋蓋をして、弱火にして放置した。
20分後に開けてみたら、普通においしかった。
大根に味が染みていた。アルミホイルのときと特に変わらない仕上がり。均一に火が通った気もしたけど、それは気のせいかもしれない。とにかく問題はなかった。
使い続けてわかったこと

洗うのが思ったより楽
煮物のあとの油汚れが、さっと洗うだけで落ちる。
木製を使っていたときは、洗ったあとに「ちゃんと乾かさないとカビる」という緊張感がいつもあった。立てかけて、乾いたか確認して、しまう。その一連が地味に面倒だった。シリコンにはそれがない。洗ってそのまま引き出しに放り込める。
どこにでも収まる
薄いから、引き出しの隙間に立てて差し込んでおける。
木製の落し蓋は意外とかさばる。引き出しに入れると他のものが入らなくなるし、吊るすにも場所が要る。シリコンはぺらっとしているから、空いたスペースにどこでも入る。毎日使うものだから、こういう地味なところが積み重なる。
雑に扱える
これが意外と一番よかった。
木製は乾燥が甘いとカビる。ステンレスは鍋に当たると音がする。でも110円のシリコンは、正直どう扱っても気にならない。傷がついても、変色しても、消耗品だと思えば何も気にならない。丁寧に扱わなくていいものが台所にあるのは、思っていたより気楽だった。
困ったことも正直に書く

サイズが合わない鍋があった
私が買ったのは20〜22cm対応だったんだけど、ある日18cmの小鍋で少量の煮物を作ろうとしたら、当然入らなかった。
そのときはまたアルミホイルを使った。なんのために買ったんだという気持ちになった。
セリアにはサイズ違いも置いてあるらしいので、買う前に自分がよく使う鍋のサイズを確認した方がいい。私は確認しなかった。
端がめくれることがある
煮汁の中でシリコンの端がくるっと折れることが、数回あった。
取り出して広げてまた乗せればいいだけなんだけど、気になるといえば気になる。仕上がりに影響があったかは正直わからない。気にしない人はたぶん気にならない。
木製・ステンレスと何が違うか

一応整理しておく。
木製は重さがあって安定する。昔ながらの落し蓋らしい使い心地がある。でも乾燥させないとカビる。私は実際にカビらせて捨てた。手入れが面倒な人には向いていないと思う。
ステンレスは錆びないし長持ちする。重さがあるので具材の上に安定して乗る。値段は100均より上がるけど、毎日使うならそっちの方がいいかもしれない。金属同士が当たったときの音が気になる人もいる。
シリコン(セリア)は軽くて洗いやすくて収納場所を選ばない。耐久性は正直未知数で、毎日使っていたら数年後どうなるかはわからない。今のところ問題ないけど、そのうちへたってくる気はしている。
よくある疑問

食洗機は使えるの?
パッケージをちゃんと確認しなかったので断言できない。シリコン素材は食洗機対応のものが多いけど、購入時に表示を見た方が確実。
IHでも問題ない?
落し蓋は熱源に直接触れるものじゃないので関係ない。鍋の中の煮汁に浮かべるだけだから、ガスでもIHでも同じように使える。
臭い移りはある?
今のところ私のは気になっていない。ただカレーとか臭いの強いものを煮たあとは、念入りに洗っておいた方が安心かもしれない。
こんな人には合うと思う

毎日煮物を作る人、長く使えるものが欲しい人は、ステンレスをちゃんと買った方がいいと思う。110円のシリコンはそういう用途向けじゃない。
ただ、
- たまに煮物を作る
- アルミホイル代用が地味に面倒になってきた
- 落し蓋の収納場所に困っている
- とにかく試してみたい
こういう人には、110円で十分だった。私はこのうち全部に当てはまっていた。
よく使う鍋のサイズが複数あるなら、最初から2サイズ買っておいた方がいい。2つでも220円だ。私は1つしか買わなかったので、小鍋のたびに結局アルミホイルを使っている。次に行ったとき小さいサイズも買うつもりでいる。
まだ買っていないけど。
100円ショップのセリア 落し蓋の代替品をAmazonと楽天で探す
セリアの落し蓋が近くの店舗で見つからないとき、あるいはサイズや素材を変えて試してみたいときは、AmazonやRakutenで手に入る以下の3製品が選択肢になる。素材もサイズ展開もそれぞれ異なるので、自分の鍋や使い方に合わせて選びやすい。
比較表
| 製品名 | 素材 | サイズ | 原産国 |
|---|---|---|---|
| ナガオ 燕三条 落とし蓋でR フリーサイズ 最大23cm ステンレス 日本製 | ステンレス | 最大23cm(フリーサイズ) | 日本(燕三条) |
| 市原木工所 落し蓋 木製 樹婦人 | 木製 | 商品ページ参照 | 商品ページ参照 |
| さわら 落し蓋(押し蓋)16cm(82565) | さわら材 | 16cm | 商品ページ参照 |
ナガオ 燕三条 落とし蓋でR フリーサイズ 最大23cm ステンレス 日本製
新潟・燕三条産のステンレス製で、フリーサイズという構造が特徴的な落し蓋。鍋の口径に合わせて形を変えられるタイプで、複数の鍋に使い回したい場合に向いている。ステンレスなので錆びにくく、木製のように乾燥を気にしなくていいのも使い続けやすい理由のひとつだ。
市原木工所 落し蓋 木製 樹婦人
木製落し蓋の中でも、職人が手がける国産品として流通しているもの。木材が煮汁を吸うことで対流が落ち着き、味が均一に染みやすいとされる。昔ながらの煮物をきちんと作りたいとき、木製ならではの使い心地を求める場合に選ばれやすい。乾燥をしっかり行う手入れが前提になる。
さわら 落し蓋(押し蓋)16cm(82565)
さわら材を使った16cmの落し蓋で、小ぶりなサイズが目安になる一品。18cm前後の小鍋で少量の煮物を作ることが多い場合、このサイズ感がちょうど合いやすい。さわらは軽くて水に強い木材として知られており、木製の中では比較的扱いやすい素材とされている。
結局どうだったか
110円にしては、普通に使えた。
それだけの話だ。料理が劇的においしくなったとか、感動したとか、そういうことは何もない。アルミホイルをくしゃくしゃする手間がなくなって、洗い物が少し楽になって、引き出しの隙間に薄く収まっている。
木製のときみたいにカビを心配しなくていいだけで、私には十分元が取れた。
次にカビが生えたとしても、110円だから気持ちよく捨てられる。それくらいの気楽さが、たぶんちょうどいい。
